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汽車で星を

 鳥はその歩みを進めている。


 私は、汽車を待つ。駅員から切を買い、そしてホームのベンチに座った。
 ホームから見えるのは、ランプ。その中には星が入っていて、夜になると辺りを照らす。
 星の光は、紺色の湖面に青白い光を落とす。しかし、周りは霧が濃く覆っていて、星の光さえも届かない。
 私は空を仰ぎ見る。
 しかし、霧のせいで星は見えやしない。普段ならば、星を撒く飛行機が見えるはずなのに。飛行機はいつも夜になると優雅に空を舞い、星を撒き散らすのだ。
 残念だ。そう一人ごちて私は立ち上がった。

 汽車は汽笛を鳴らし続けている。
 目の前には並ぶ鳥。
 ふくろうは、ご丁寧に燕尾服をまとい、シルクハットを被り、ステッキをつき汽車を待っている。
 等間隔に並んで。
 定規で測ったような等間隔で、ふくろうたちは並んでいる。
 ドアが開いた。
 ぞくぞくと降りてくる客はふくろう。
 もちろん等間隔で、正装で。
 燕尾服ならば、燕なのに。
 汽車に乗り込むふくろうを眺めながら、私はそう思う。

 どこかに燕は。
 混ざっていないだろうか。

 しかし、残念なことに燕は一羽も混ざっておらず、ふくろうは汽車に乗り込み、汽笛が鳴った。
 駅員は私をせかし、大慌てで記者に乗り込むと、汽車は勢いよく汽笛を上げ。

 水の中に潜っていった。

 星の灯火」と「空の下」のインターミッション的な話。学生時代に描いたCGが素。